スイーツジャーナリスト、平岩理緒さんに教えてもらうコーヒーとスイーツのマリアージュ

雑誌への執筆、テレビの出演だけでなく、講座やイベントも催す、スイーツのことならこの人に聞け!という存在が平岩理緒さんです。おいしいコーヒーをいただくなら、平岩さんはどんなお菓子と楽しむのでしょうか? 極上のコーヒータイムを楽しむために、スイーツの達人に「コーヒーとスイーツのマリアージュ」を教えていただきます。

まずは、やっぱりチーズケーキ!

「コーヒーとのマリアージュを考えたとき、真っ先に思い浮かぶのはチーズケーキです。なかでも、クリームチーズやサワークリームをたっぷり使い、ずっしりと濃厚でコクがある味わいのものは、レアチーズでもベイクドチーズでもコーヒーに合わせたくなります。クリームのケーキであれば、生クリームよりもバタークリーム使いのケーキ。焼き菓子なら、クルミ入りのスイス菓子『エンガディナー』やフランス菓子の『ドフィノワ』、アーモンドなどが入った『フロランタン』のように、ナッツとキャラメルを合わせた焼き菓子類は、コーヒーと相性がいいと思います。チョコレートを使ったお菓子は、その中でもしっかりと甘さも食べ応えもあるものがよく合います。たとえば、ウィーン銘菓『ザッハトルテ』などもその代表格です」。

平岩さん流、コーヒーとスイーツの相性の考え方

なるほど! チーズ、バタークリーム、キャラメル、チョコレート。濃厚な味で、甘さもしっかりしたお菓子には、コーヒーの苦みが合いそうです。でも、平岩さんには一歩進んだ、マリアージュの考え方があるようです。

「あるコーヒー専門店で開催された、コーヒーとスイーツとのマリアージュセミナーに参加したことがあります。産地はもちろん、浅煎り・深煎り、ナチュラル・ハニー・ウォッシュド(生豆の精製方法)など、条件を様々に組み合わせた豆で淹れたコーヒーと、何パターンかのスイーツとを順に合わせていき、味わい比べる体験をしました。そこで、“相性”のパターンには、1)洗い流してすっきりさせる、2)引き立てて余韻を広げる、3)2つの味が合わさって新しい味が生まれる、という3つの分類があるのではないかと感じました」。

さらには、スイーツに使う材料とコーヒー豆の関係がマリアージュに関わってくるということも…。

「たとえばナッツのお菓子は、ローストしたナッツの香ばしさと、焙煎されたコーヒー豆の香りに共通するものがあるから、コーヒーに合うのではないかと思います。これがチョコレートとフルーツを組み合わせたお菓子だと、フルーティーな要素を引き立ててくれるため、紅茶と合わせたい場合もあります。でも、チョコレートにナッツとコーヒーという組み合わせだと、焙煎したカカオ豆の香ばしさを持つチョコレートとコーヒーとの間に共通要素が感じられ、コーヒーと合わせる方が、よりしっくりきます」。

浅煎り、深煎り、それぞれ合うのはどんなスイーツ?

最近、日本に「サードウェーブ」と呼ばれるコーヒー文化がアメリカから入ってきました。簡単に言えば、上質な豆を浅煎りにして、ひと手間かけてドリップしたコーヒーを飲む習慣です。一方、「コーヒーはしっかり苦くて、濃いのが好き」という深煎り派もまだまだ多いはず。

「コーヒー豆の種類や加工の方法にもよりますが、浅煎りタイプだと、苦みや渋みよりも、さわやかな酸味を感じるものもあると思います。コーヒー自体に桃の香りや柑橘の香り、ライチの香りなどの要素が見出せるものもあり、オレンジやレモンといった、紅茶と相性のいいイメージの強い柑橘類を使ったスイーツとも、うまくマッチすると感じています。スイーツで言えば、『タルトシトロン(レモンタルト)』のように、フルーツを使いつつもクリーミーでコクがあり、しっかりと骨太な味わいのものはもちろん、ベリー類やライチや青りんごなど、繊細で淡い味わいのフルーツを使ったムース主体のケーキのように軽いものまで、これまで、紅茶と相性がいいと思っていたものとも、合わせてみる価値があると思います。

一方、深煎りコーヒーも豆の種類や加工方法によりますが、キャラメルや黒糖の味とは特に相性がよく、表面をキャラメリゼしたクレームブリュレや、黒糖味の羊羹などともよく合いそうです。先ほど挙げた濃厚なチーズケーキや、ナッツ類、チョコレートを使ったお菓子とも相性がよいと思います。ナッツ類をしっかりキャラメリゼしてからチョコレートがけにした『アマンドショコラ(アーモンドチョコレート)』などもお勧めです」。

和菓子とコーヒーの組み合わせが新しい!

ここまで洋菓子とコーヒーのマリアージュをうかがってきましたが、やはり日本人、ときどき無性に和菓子が食べたくなります。平岩さん、コーヒーと和菓子はマリアージュできますか?

「できます! 私自身、先程も申し上げたとおり、黒糖を使ったコクのある和菓子には、コーヒーを合わせたくなります。互いに引き立てあって余韻を広げる組み合わせの“黒糖×コーヒー”以外にも、あんこのお菓子は基本的にコーヒーと相性がよいと思います。私はこし餡よりも、粒餡入りの大福や最中の方が合うように感じますが、それは小豆の香ばしさがコーヒー豆の焙煎香とマッチするためではないかな、と。お干菓子のようなものも、甘さそのものがダイレクトに口に広がるので、紅茶や日本茶とはもちろん合いますが、コーヒーのほろ苦さや酸味が甘さをすっきりと洗い流してくれるように思います」。

黒糖とコーヒー、粒餡とコーヒー! 目からウロコのマリアージュを教えていただきました。平岩さんのお話を聞いて、いろいろなコーヒーとスイーツの食べ比べをしたくなりました。浅煎り、深煎りのコーヒーと洋菓子、和菓子を揃えて、お友達やご家族とマリアージュパーティを開いてみませんか?

平岩理緒さん
スイーツ情報サイト「幸せのケーキ共和国」を主宰するスイーツジャーナリスト。「All About」スイーツガイドも担当。雑誌、TVなどでスイーツ情報を発信するほか、カルチャースクールや製菓系専門学校での講義、スイーツイベントのコーディネート、商品開発コンサルティング、コンテスト審査員など幅広く活動。1カ月に200種類以上のスイーツを食べ歩く。

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